≪教育関係≫

            
      高エネルギー研究室 (NGTHEP, ) の学生指導等のようすについて紹介します。

       研究室の学生数は、だいたい次のようになっています。

        学部4年生: 4−5名程度
        修士課程(博士前期課程)院生: 10名程度
        博士課程(博士後期課程)院生: 5名以下 

      合計で15−20名程度の学生が高エネルギー研究室に所属しています。

       これらの学生は、本人の希望によって研究室が現在行っている数種類の研究テーマの中から、自分のテーマを
      選び研究を行っています。ここで重要なのは、学生の人が自分の希望でテーマを決めることです。このとき学生の人の
      明確な希望が無いときには、消去法、成り行き、他の学生との関係などでテーマが決まることになります。
      こういう場合には、大抵あまり良い方向には行きません。 やはり、自分が選んだテーマに対して、十分なモチベーションを
      持つことが必要です。

        研究に関する打ち合わせ(ミーティング)は、研究テーマごとに通常、週1回(ウィークリーミーティング)行っています。
      また、研究室全体での発表会と打ち合わせを月1回(マンスリーミーティング)行っています。 
      マンスリーミーティングの目的は、研究打ち合わせというよりも、プレゼンテーションやコミュニケーションの力を養うために
      行っています。


      以下に当研究室の活動の成果に関する統計を示します。

      (1)高エネルギー研究室からの博士号取得学生数(1989年度〜現在): 21名

         当研究室は平均して毎年約1名の博士号取得者を輩出してきました。 これらの博士号を取得した学生の
        大半は現在、テニア(任期無し)のアカデミック職に就いています。 留学生(1名)と社会人学生(2名)を除いて、
        博士号取得者の94%がアカデミック職に、83%がテニアのアカデミック職に就職しています。 就職先としては、
        研究所、大学、高専などです。 就職先の例: 高エネルギー加速器研究機構、京都大学、日本原子力研究開発
        機構など

      (2)高エネルギー研究室からの修士号取得学生数(1986年度〜現在) : 68名

         平均して毎年3名程度の修士号取得者を輩出してきました。 最近は、博士課程(博士後期課程)進学者が
        減少しています。 これは早めに安定した職に就きたいと考えている学生の割合が増えたからだと考えています。
        しかし、人生は一回きりです。 悔いの無いように、やりたいことにチャレンジして欲しいと思います。
         新潟大学の高エネルギー研究室で博士号を取得し、研究者になることを目指す学生を歓迎します。

      (3)研究室所属大学院生の日本物理学会での発表(2001年度〜現在): 45回

        
   研究室での研究成果の発表は、主として年2回ある日本物理学会の学術講演会(9月、3月)で行っています。 
        高エネルギー物理学実験の分野は国際共同研究が多いので、修士課程の大学院生でも外国に行って研究発表する
        ことも珍しくありません。

      (4)招聘外国人留学生数1997年度〜現在): 6名

           フィリピンの国立ミンダナオ大学イリガン工科校(MSU-IIT)からの留学生を受け入れています。 
        日本学生支援機構(JASSO)の短期留学プログラムの支援を受けて、今までに5名の留学生が約1年間研究室に
        滞在して、共同研究を行いました。 これらの学生は帰国後、MSU-IITで修士の学位を取得したり、博士の学位
        取得のために、研究を続けています。
         また、1名の学生は文科省の国費留学生として、新潟大学自然科学研究科・博士後期課程の学生になり、
        日本語研修も含めて約4年間、当高エネルギー研究室に滞在して博士の学位を取得しました。

       <活動方針>

       高エネルギー研究室としては、多様なニーズがある学生の希望を尊重して研究テーマを決めるために、基礎研究から
      応用研究まで数個の研究テーマを用意しています。

       <教育に対する私の考え>

       学生の人に何らかの指導、助言等をしようとするときには、「まずそのことについて自分でやってみせて、次にそれに
      ついて説明し、その後に学生の人にやらせて、仮にうまくできなくても褒めてあげる」という長岡出身の有名な人の
      考え方が私も好きです。 このように本当にできたなら、大抵の学生はどんどん成長すると思います。 
        しかし実際には、(特に国立大学法人化後の)教員は日常的なその他の仕事が忙しくて、なかなか学生につきあう
      十分な時間が無いというのが現状です。 それなので、この状況下では
          「目的意識が高い勤勉な学生は伸びますが、そうでない学生はなかなか成長しない」
     
ということになります。


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