現在までの主な研究活動
(１) KEK-PS加速器を用いたΛ粒子の偏極測定実験
既に現在は無い高エネルギー物理学研究所（現・高エネルギー加速器研究機構 ＫＥＫ）の陽子シンクロトロン
（ＰＳ）を用いた実験です。
(２) FermilabのTEVATRON加速器を用いたCDF実験
トップクォークを発見したCDF実験検出器の開発研究です。
(３) KEKのTRISTAN加速器を用いたAMY実験
ＡＭＹ実験はQCDの特徴である3グルーオン・バーテックスの存在を世界で初めて示しました。 分解光子反応が
存在することの証明や2光子過程によるチャームクォーク過剰生成の研究をしました。 新潟大学の高エネルギー
研究室からは6名の学生が博士号を取得しました。
(４) 神岡地下実験
神岡実験によって、ニュートリノに質量があることを示す、ニュートリノ振動が初めて観測されました。 当研究室
からは6名の学生が博士号を取得しました。
(５) SSCを用いて行うSDC実験のための開発
SDC実験用のシリコン半導体検出器の開発研究を行っていましたが、SSC計画の中止と共に研究は中断しました。
研究内容はこの後、Belle実験のためのシリコン半導体検出器の開発につながりました。
(６) KEKのB-Factory加速器を用いたBelle実験
非対称エネルギー電子・陽電子衝突型加速器(KEKB)を用いてB中間子を大量生成し、粒子・反粒子（CP）対称性
の破れの研究をしています。 当研究室からは現在までに2名の学生が、この実験で博士の学位を取得しました。
(７) BIO共同開発研究
有機半導体の開発研究です。 企業の方と共に、共同で開発研究を行っています。
(８) ILC実験
日本の高エネルギー物理学分野の最重要次期計画です。 次世代の電子・陽電子衝突型線形加速器を作り、
衝突エネルギー300 GeV以上で実験を行い、未発見のヒッグス粒子やSUSY粒子などの探索やその精密測定を
目指しています。
新潟大学の高エネルギー研究室は、ILC実験のためのカロリメータ（エネルギー測定器）やCCD検出器（崩壊点
検出器）の開発研究を行いました。 この研究テーマで当研究室からは、4名の学生が博士の学位を取得しました。
(９) KASKA-Double Chooz実験
原子力発電所からのニュートリノ束を利用して、ニュートリノ混合角θ13 を測定しようとする原子炉ニュートリノ
振動実験です。
(10) プラスチックシンチレータを用いた原子炉ニュートリノ検出器（VND)の開発研究
原子炉の至近距離にプラスチックシンチレータを用いたニュートリノ検出器を設置して、ニュートリノによって
原子炉の運転状態をモニターしようとする研究である。
