二重ベータ崩壊実験/DCBA実験


二重ベータ崩壊とは、大まかに言えば、(原子核が電子とニュートリノ(正確には反ニュートリノですが、以下では簡単のために「反」を省略します。)を放出して電荷が一単位大きい原子核に変わる)通常のベータ崩壊が同時に2個起こる現象と言えます。従って、電子とニュートリノの組が2組同時に放出され、原子核の電荷(原子番号)は2単位大きくなります。ベータ崩壊自身が、「素粒子の弱い相互作用」と呼ばれる相互作用で起こるので起こる確率は一般に小さいのですが、それが同時に2個起こると言うのですから、「起こり難い」の二乗で非常に起こりにくい、即ち稀にしか起こらない現象です。
所が、理論的には、二重ベータ崩壊の一つの様式として、ニュートリノを放出しない、即ち電子を2個放出するだけの二重ベータ崩壊が予想されています。これが起こる確率は、上で述べた2個のニュートリノを放出する二重ベータ崩壊より一層低い事が予想されており、実際未だ見付かったと言う確証は有りません!ここで言う、「二重ベータ崩壊実験」の究極の目的は、それを見付ける事です。
そのような現象がどんな意味を持つのでしょうか?実はその現象が起こる事は、 など、これまで綻びが無いと信じられてきた「素粒子の標準模型」の綻びを明確に示すものであるのです。


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This document was updated on Jul. 9, 2003.